クレリックシャツとは?特徴や着用シーンごとの注意点などを解説
2022.11.30
この記事の所要時間:約7分
襟の部分はホワイトなのに身頃には色や柄が入っているシャツを見て、「おしゃれだな」と感じたことはないでしょうか。
色や柄が切り替わっているシャツは、「クレリックシャツ」と呼ばれます。今回は、クレリックシャツを着用する際の注意点や着こなし方について解説します。
1. クレリックシャツとは
クレリックシャツとは、襟と袖口がホワイト、それ以外の部分は柄や色付きのシャツのことです。
日本ではクレリックシャツと呼びますが、外国では「ホワイトカラーシャツ」や「カラーディファレントシャツ」などとも呼ばれています。
クレリック(cleric)とは英語で「牧師や聖職者」を意味します。
諸説ありますが、牧師が着用していたホワイトの僧服がクレリックシャツの起源とされることがあります。
クレリックシャツは、色や柄が切り替えられているのでコーディネートが単調になりません。
また、襟と袖口はホワイトなのでクリーンな雰囲気にもなります。
コーディネートにアクセントを加えたいときに着用するのがおすすめです。
2. クレリックシャツはビジネスシーンで着用できる?
クレリックシャツはビジネスシーンでも一般的に着用されています。
シャツ一枚でもサマになるので、クールビズやビジネスカジュアルスタイルに最適です。
ただし、基本的に色や柄が入っているため、色や柄が入ったシャツが認められていない職場では着用を控えておくと安心です。
また、色や柄入りのシャツが認められていても、重要なプレゼンや顧客を訪問する際は以下のようなシャツを選択するとよいでしょう。
●柄:ストライプや織柄のような控えめな柄
●色:サックスブルーや薄いピンクなどの淡い色
クレリックシャツは柄や色の切り替えがおしゃれなシャツですが、ビジネスシーンではTPOを考えることも大切です。
その場の雰囲気や環境に合わせておしゃれとフォーマル度のバランスを取るようにしましょう。
3. クレリックシャツの着用シーン
ここでは、クレリックシャツを着用できるシーンについて解説します。
3-1. ビジネスシーン
ビジネスシーンでは、職場で柄や色付きのシャツが認められていれば着用可能です。
柄の種類や色は一色までなど細かく取り決められていることもあるので、職場のルールを確認してみましょう。
クレリックシャツは、ホワイトのシャツと比べると多少カジュアルな印象です。
その反面、色の変化があるためシャツ一枚でもサマになります。
クールビズでノーネクタイ・ノージャケットだと控えめな印象になることがありますが、クレリックシャツを着れば解決できるでしょう。
3-2. 結婚式のようなお祝いの場
コーディネートが単調にならず、かつクリーンな雰囲気があるクレリックシャツは、お祝い事である結婚式に適しています。
ただし、特別格式が高いシャツではないため、友人や同僚の結婚式、または二次会のような少しカジュアルな雰囲気のシーンで着用するとよいでしょう。
華やかなストライプ柄や爽やかなサックスブルーなど、いろいろな柄や色を着用しても問題ありません。
しかし、結婚式での服装は新郎新婦より目立たないことが大切です。
結婚式の雰囲気を盛り上げる服装を心がけ、新郎新婦を引き立てるようにしましょう。
また、クレリックシャツは歴史的に労働者階級の方が多く着用してきたという説があります。
そのため、フォーマルシーンに向いていないという考え方もあります。
主賓や親族として参列する場合にはクレリックシャツの着用を避けましょう。
友人や同僚として参列する場合は、新郎新婦との関係性を考慮して着用するかを決めましょう。
3-3. カジュアルシーン
クレリックシャツは、パーティーやイベントなどのカジュアルシーンでも着用できます。
ビジネスシーンやフォーマルシーンよりも目立つ色や柄を取り入れやすいので、コーディネートが単調になりにくいクレリックシャツが活躍するでしょう。
4. クレリックシャツを着こなすコツ
続いて、クレリックシャツを上手に着こなすコツについて解説します。
4-1. 無地のスーツにはストライプのクレリックシャツ
クレリックシャツのなかでも人気の高いのがストライプ柄です。
ビジネスシーンではなるべく落ち着いた印象を与えたいので、ストライプシャツを着用する場合、スーツは無地のものをおすすめします。
また、ストライプには以下のように多くの種類があり、それぞれに印象が変わります。
- ピンストライプ:線が細かい点で構成されたスマートな印象
- ロンドンストライプ:同じ幅の線が均等に並んだフォーマルな印象
- ペンシルストライプ:鉛筆で描いたような細い線が等間隔に並んだスタイリッシュな印象
これらのストライプはほんの一例です。
この他にもストライプの種類は数多くあり、それぞれ印象が変わります。
場面に合わせて使い分けるようにしましょう。
なお、クレリックシャツは柄が入ったスーツと合わせても問題はありませんが、柄と柄を合わせるとごちゃごちゃした印象になる可能性があります。
その場合、同じ柄で統一することで統一感を意識しましょう。
また、スリーピースのスーツを着用するとシャツが見える面積が少なくなるため、クレリックシャツのドレッシーな雰囲気を残しつつフォーマルな印象も持たせられます。
4-2. 色数は3色以内に抑える
スーツスタイルでは、全体に使う色数を3色までに抑えると華やかになりすぎず落ち着いた雰囲気を演出できます。
この画像のコーディネートの場合、スーツとクレリックシャツの色をネクタイで拾っているため、ちょうど3色になっています。
また、フロントボタンが2列になっているダブルスーツを着用している点にも注目です。
ダブルスーツはシングルスーツと比べるとVゾーンが狭いため、チラッと見える柄モノのシャツがおしゃれな雰囲気を醸し出します。
シャツが見える面積が少ないため、普段より少し華やかな色や柄でも目立ちすぎません。
足下にはローファーを合わせていますが、革靴のなかでもローファーは丸いフォルムであるためカジュアルに寄っています。
今回のコーディネートではクレリックシャツにタイドアップと比較的かっちりした印象のあるなかで、ローファーを合わせることで程よくカジュアルダウンしています。
5. いろいろな種類のシャツを着こなそう
クレリックシャツ以外にも、フォーマルシーン向きのホワイトの無地シャツや襟にボタンが付いていて形が崩れにくいボタンダウンシャツなど、シャツにはさまざまな種類があります。
柄や色、襟の形により大きく印象が変わるので、着用シーンによって使い分けることが大切です。
使い分けの例としては、以下のようなケースが挙げられます。
- 冠婚葬祭などのフォーマルシーン:ホワイトの無地のシャツ、レギュラーカラー・ワイドカラーのシャツ
- ビジネスシーン:ホワイトの無地のシャツ、淡い色や華やかすぎない柄のシャツ
- カジュアルシーン:明るく華やかな印象があるシャツ
上記はあくまで目安なので、他に着用するアイテムによっても変わってきます。
シャツを上手に着こなせればTPOに合わせた服装ができるので、ぜひシーンごとの使い分けを心がけてみましょう。
6. まとめ
ここではクレリックシャツの特徴や着用シーンなどについてご紹介しました。
クレリックシャツはビジネスシーンでも着用できますが、華やかさよりも爽やかさで選ぶと間違いがありません。
また、ビジネスシーン以外にも、友人や同僚の結婚式やパーティー、イベントなど、比較的カジュアルなシーンでも着用可能なため、用途が非常に広いシャツです。
いろいろなシーンで活用できるクレリックシャツですが、ホワイトの無地のシャツと比べるとカジュアルなアイテムです。
そのため、重要な商談ではホワイトの無地のシャツを着用したり、使い分けを心がけましょう。