【スタイリングの基本をマスター】スーツのコーディネート術
2023.03.08
この記事の所要時間:約5分
ロンドンのサヴィルロウ・ストリートで生まれたとされるスーツ。
以来、各国に伝播し、文化や歴史などさまざまな影響を受け、数多くのスタイルを生み出しました。
スーツを着慣れていないのであれば、時代に裏付けされたスタイリングをお手本に着こなしてみてはどうでしょう。
イギリス、イタリア、アメリカ。目の前の流行だけに左右されないスーツの本物の着こなしを身につけましょう。
1.ブリティッシュスタイル
POINT.1 カッチリとしたシルエット
肩幅はカッチリとしたスクエアショルダー、シェイプの効いたタイトなウエストライン。
前身頃のチェンジポケットなどのディテールも特徴のひとつ。
スーツ発祥の国ならではの多彩なディテールが光ります。
POINT.2 生地は温かみのある風合い
イギリスには世界を代表する数多くのミル(生地メーカー)が存在します。
〈フォックスブラザーズ〉によるネイビーブレザーで使われるフランネル(ネルシャツに使用される柔らかい毛織物)、〈ハリス・ツイード〉に代表される温かみのある重厚な生地など、普段着でも愛されている素材がよく使用されていますが、最近では軽量なものもできてきています。
POINT.3 クレリックシャツがおすすめ
ブリティッシュスタイルを表すシャツのデザインといえば、 クレリックシャツではないでしょうか。
袖、襟と身頃が違う生地で構成されたこのシャツは、知的な雰囲気を演出します。
また、Vゾーンに赤や緑といった反対色をチョイスし、華やかさをプラスするのもこのスタイルならでは。
POINT.4 重厚感のあるシューズ
ロンドンの北西にあるノーサンプトンには歴史あるファクトリーがひしめきあっています。
伝統的で正統派な靴を選ぶのがブリティッシュスタイルならでは。
オックスフォードシューズ(内羽式の紐靴)など、カッチリとした重厚感のあるもので足元を固めましょう。
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2.イタリアンクラシコ
POINT.1 色合いは淡く美しい
クラシックを意味する「クラシコ」。
イタリアンクラシコとはその名の通り、イタリアの定番的なスタイルを指します。
スーツカルチャーの中心になっているのはミラノ。彼の地では、アズーロと呼ばれる淡いカラーが定番となっています。
POINT.2 シルエットはジャストサイズ
イギリス特有のかっちりした作りと比べ軽やかな印象。
高く設定されたゴージ位置がやわらかいラインを生み出しています。
肩幅は全体のアウトラインを包み込むようなジャストサイズ、ウエストシェイプはゆるやかで自然。
軽い着心地が追求された裏地のないスフォデラート仕様のスーツもイタリアならでは。
POINT.3 シンプルな組み合わせ
ワイドカラーのシャツにジャケットの柔らかさに合わせたネクタイや、全体的に華やかなのがイタリアンクラシコな着こなし。
スーツと同色のタイを合わせるなど、限りなく組み合わせをシンプルにし、その中でエレガンスを見出すことがイタリアンクラシコの楽しみ方です。
POINT.4 マッケイ製法のシューズ
イタリアはイギリスと双璧をなすシューズ大国。
イタリアでは、より軽やかな履き心地の マッケイ製法が主流です。
また美意識の高いシューズメーカーも多く。まるで絵を描くようなパティーヌ(色付け方法)なども魅力。
淡いブラウンカラーの Uチップなどがイタリアンクラシコらしいシューズ。
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3.アメリカントラディショナル
POINT.1 基本の配色を踏襲
米国東部で培われたアメリカ特有のスーツスタイル。
1960年代に流行したアイビーファッションをルーツに持ち、ネイビーやグレーなど、スーツにとって基本の配色を踏襲。
POINT.2 全体的にゆったりとしたシルエット
I型と呼ばれる、前ダーツのないボックスシルエットが特徴。
肩パッドを入れないナチュラルなショルダーが目印です。
パンツもゆるやかなテーパードを描きフィットするのが定番で、全体的に落ち着きのある印象。
体格の良い人に合うスタイルです。
POINT.3 ボタンダウンのシャツを選択してもOK
アメリカントラディショナルに最も合うシャツが、実はボタンダウンシャツです。
スポーティでカジュアルな印象が強いため、ビジネスシーン向けではありませんが、決して間違いではありません。
アメリカントラディショナルはボタンダウンシャツが好きな方にはおすすめのスタイルともいえるでしょう。
POINT.4 ボリューミーなプレーントゥ
アメリカントラディショナルは、米国東部の大学生たちが築き上げたスタイルです。
ビジネス目線で踏み込めば、コバの張った グッドイヤーウェルテッド製法の プレーントゥなど、アメリカらしいボリューミーな靴がぴったり合います。
またピカピカに磨き上げた山羊革の靴もアメリカらしさ満点。
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4.まとめ
今回は、スーツのスタイリングの基本をお伝えしました。
コーディネートを組む際は、
- スーツらしいカッチリとした印象のブリティッシュスタイル
- スーツの艶を活かした軽やかな印象のイタリアンクラシコ
- 落ち着いた印象で動きやすいアメリカントラディショナル
をお手本に着こなしてみてはどうでしょう。