【洗濯マークの意味は?】洋服を洗うときに5つの洗濯表示を確認しよう
2022.12.26
この記事の所要時間:約10分
皆さんは洋服を買う際に、洋服のデザイン以外に「ケア方法」に着目することはありますか?
洗濯表示(マーク)は、5個の基本記号、及び基本記号と組み合わせて用いる付加記号で構成されています。
また、国際標準に合わせているため、マーク内から日本語表記が消えています。
記号の意味を理解していないと、洗濯方法が理解できないことも!?
- 家庭洗濯が可能か?
- クリーニング店に出す衣類なのか?
- ドラム式乾燥機で乾燥できるか?
まずは洗濯表示記号を正しく読み解き、お気に入りの衣類を大切に洗濯しましょう。
ワイシャツの洗濯方法について知りたい方はこちらをご覧ください。
1. 覚えておくと便利な5つの基本記号
洗濯マークは5つの基本記号がベースとなり、付加記号や数字でその衣類に合った洗濯方法をお知らせしています。まずは基本マークを確認しましょう。
衣類のタグには、素材などのほかに、下記の順に洗濯表示されています。
①洗濯処理記号
②漂白処理記号
③乾燥処理記号
④アイロン仕上げ処理記号
⑤商業クリーニング処理記号
おすすめアイテム
1-1. 水洗い(家庭洗濯)記号
【洗濯処理記号(基本記号)】
従来のマークは「洗濯機」と「手洗い」と分けて表示していましたが、新マークは家庭洗濯が出来る洗濯のマークが「おけ」に統一されました。
【洗濯機使用可】
このマークがあれば、家庭の洗濯機で洗濯ができます。
【手洗いマーク】
洗濯機使用は基本的に不可。
液温は40℃を限度とし、手洗いによる洗濯処理ができるとされます。
【家庭での洗濯処理はできない】
洗濯機使用・手洗いともに家庭洗濯は基本的に不可。
クリーニング専門店に相談しましょう。
1-2. 漂白処理記号
【漂白処理記号(基本記号)】
酸素系または塩素系漂白剤の使用が可能かの表記。
【漂白剤使用可】
このマークは塩素系漂白剤も酸素系漂白剤も使えます。
【酸素系漂白剤の使用可】
酸素系漂白剤の使用が出来ます。
塩素系漂白剤は使用できません。
【漂白剤使用不可】
このマークのある衣類は、酸素系・塩素系ともに漂白剤の使用はできません。
1-3. 乾燥処理記号
【乾燥処理記号】
自然乾燥かタンブル式乾燥が可能かが見分けられます。
- 自然乾燥
脱水が可能、天日干しまたは陰干、つり干しまたは平干しなどの表記 - タンブル乾燥
家庭用ドラム式洗濯乾燥機やコインランドリーのドラム式乾燥機などの使用
※下記のマークは一例です。
【乾燥処理記号(基本記号)】
この記号に組み合わせることで、自然乾燥かタンブル式乾燥が可能かが見分けられます。
【自然乾燥(つり干し)】
脱水が可能、つりぼしができる。
家庭で洗濯物を干す通常の方法。
【自然乾燥(ぬれ干し)】
脱水不可、日陰でぬれ平干しができる。
脱水が出来ないのでタオルドライなどを用いて水気を取ってから干すと良い。
【タンブル乾燥】
ドラム式洗濯乾燥機の乾燥機能や、コインランドリーなどの回転ドラム式の乾燥機使用可能。
このマークは高温乾燥:排気温度の上限最高80℃
【タンブル乾燥禁止】
タンブル乾燥禁止です。
【ドラム式洗濯乾燥機に対応した衣類か確認を!】
家庭用の洗濯乾燥機もタンブル乾燥(ドラム式)が増えていますが、タンブル乾燥は衣類を痛めやすいので注意が必要です。
ドラム式の乾燥方法が可能な衣類かどうか、洗濯表示で確認できますので、タンブル乾燥が出来ない衣類は洗濯終了時に取り出しましょう。
1-4. アイロン仕上げ処理記号
【アイロン仕上げ処理記号】
アイロンが使用可能かどうか、また温度などが表記されています。
※「・(ドット)」の数で「高温・中温・低温」を表しています。
アイロン仕上げ処理記号(基本記号)。
底面温度200℃を限度としてアイロン仕上げができる。
底面温度150℃を限度としてアイロン仕上げができる。
底面温度110℃を限度としてスチームなしでアイロン仕上げができる。
アイロン仕上げ禁止。
1-5. 商業クリーニング処理記号
【商業クリーニング処理記号】
ドライクリーニングとウエットクリーニングなど、プロの方にお願いしたほうがいいときは、この表示になります。
このマークと「おけ」のマークが併記されている場合は、家庭でも洗濯が可能です。
【ドライクリーニングとウエットクリーニング】
クリーニングは大きく分けて2種類あります。
それぞれの洗い方に特徴があります。
①ドライクリーニング
P=パークロロエチレン及び石油系溶剤によるドライクリーニングができる。
F=石油系溶剤によるドライクリーニングができる。
②ウエットクリーニング
W=専門家による水洗いOK。家庭洗濯はできない。
汗などの水溶性の汚れを落としてくれます。
スーツや制服などの型崩れしやすい家庭洗濯ができない衣類は、ウエットクリーニングができる業者にお願いしましょう。
P=パークロロエチレン及び石油系溶剤によるドライクリーニングができる。
石油系溶剤によるドライクリーニングができる。
ドライクリーニング不可。
専門家によるウエットクリーニング(水洗い)ができる。
ウエットクリーニング不可。
【クリーニング可の表示のものを家庭の洗濯機で洗ってしまった!?】
水洗いをしても見た目には変化がないということもありますが、乾燥させてみたら実は生地が傷んでしまったという場合もあります。
必ず洗濯表示通り洗うようにしましょう。
【洗濯失敗例】
- スーツ(ウォッシャブルではないもの)
伸縮・型崩れ・シワ - セーター
伸縮・風合いの変化・色落ち - レーヨン
水分に反応して収縮します。雨の日も要注意!
レーヨンは水洗いすると、光沢が失われることもあります。
2. 手洗いマークでも洗濯機で洗える?マークに見る洗剤の選び方
衣類を選ぶ際、デザインや生地・素材などを見るのと同時に、衣類の内側にあるタグの洗濯表示を確認したほうがいいでしょう。
おけのマーク表示があれば、ほとんどが家庭での洗濯が可能。
手洗いマークの表示でも洗濯機で洗えるものもあります。
家庭洗濯で大切なことは、衣類や汚れに合った洗剤や洗濯機のコースを選ぶことです。
また、洗剤の種類は大まかに4つに分類されます。
次項で詳しく解説します。
2-1. デリケートな服を洗うためのおしゃれ着用洗剤(中性)
伸縮しやすいニット類や、生地が傷みやすいレーヨンなど。
一般的にはホームクリーニング用として販売されています。
手洗いや洗濯機の弱水流で洗う衣類向け。
弱水流で洗濯ネットに入れて洗います。
脱水は30秒くらいでかるく脱水、または、タオルドライなどがおすすめです。
2-2. 汚れをしっかり落とす粉末洗剤(弱アルカリ性)
皮脂汚れのつきやすいものや、白いもの(ワイシャツ)。
また、汚れのひどいものに使用します。
洗浄力が高いので、汚れのひどいときは粉末洗剤がよく落ちるといわれている。
※汚れのひどいときは、粉末洗剤を水で少し柔らかくして直塗りするか、つけ置きすると汚れが落ちやすい。
2-3. 普段使いの液体洗剤(弱アルカリ性/中性)
綿製品など比較的汚れの少ないもの。
洗剤の溶け残りなどなく、またすすぎの回数を減らせる製品が多い。
※液体洗剤にも弱アルカリ性の洗剤もあるので、洗剤の内容を確認するといい。
2-4. ジェルボール洗剤(中性)
綿製品など比較的汚れの少ないもの(液体洗剤と同じ)におすすめ。
計量が不要なので手軽に使えます。
すすぎ1回で済むので、洗濯を手早く終えたい方向き。
番外編その1:洗濯の仕上げ 柔軟剤について
柔軟剤を使用することでふんわりと仕上がり、静電気を防止して花粉やホコリを寄せ付けにくくしてくれます。
年々商品の種類が増え、消臭機能などの機能が増えています。
ご家庭でお気に入りの香りや機能を使い分けしても◎
洗濯洗剤の中に柔軟剤を配合した商品もありますが、洗剤の中の成分によって柔軟剤の効果を発揮できないものもあります。
使ってみて香りや洗い上がりに物足りないと感じたら、柔軟剤をプラスして使用したほうがいいかもしれません。
【柔軟剤の使い過ぎ注意!】
柔軟剤を使い過ぎると、洗濯機から脱水時に流れた洗濯水に濃度の濃い柔軟剤の成分が含まれるため、排水ホースや排水溝に柔軟剤成分が固まって「排水つまり」の原因となります。
排水つまりは洗濯機の故障の原因になるため、適量を守りましょう。
番外編その2:蛍光増白剤って何?
粉末洗剤や液体洗剤の中には蛍光増白剤を使用している洗剤などもあります。
蛍光増白剤入りは、白物には効果(白い洋服はより白く見えるなど)を発揮します。
【使用しないほうがいいもの】
- きなりやパステルカラーの淡い色のもの
- 黒っぽいものや色が濃いもの
色柄物には「蛍光増白剤フリー」という洗剤が向いています。
洗剤を購入時、または使用の際に、洗剤の成分表記の確認が必要です。
白いワイシャツや白い衣類をより白く洗い上げたい場合は、蛍光増白剤入り洗剤を使うなど、用途に応じた使い分けを!
3. 洗濯機で洗う際の水温や水流を使い分け
洗濯機で洗う際の水温や水流について解説します。
3-1. 洗濯液の水温について
洗剤の特性や汚れ落ちに、水温も関係しており、常温の洗濯液より水温が高いほうが汚れ落ちがいいといわれています。
衣類のタグの洗濯表示には、生地に合った水温の「上限表示」表示もされています。
おけマークの中の数字は家庭洗濯での洗濯液の上限温度を表わしています。
3-2. 水温と洗濯機の水流の強弱について
水流もおけ表示の下に横線の本数で表記されています。
本数が多いほど、弱い水流を表しています。
下記は一例です。
液温は40℃を限度とし、洗濯機で洗濯ができる。
【おけの下に1本線】
液温は40℃を限度とし、洗濯機で弱い洗濯ができる。
【おけの下に2本線】
液温は40℃を限度とし、洗濯機で非常に弱い洗濯ができる。
洗濯機によって通常コース・ソフトコース・ドライコース・手洗いコースなどがあります。
メーカーごとに水流の内容が違うので、ご家庭の洗濯機の取扱説明書などで確認が必要です。
注意:ドライコースはドライクリーニングとは別物になります。誤ってドライクリーニングのみ可の衣類を洗わないように注意しましょう!
4. その他の洗濯表示
その他の洗濯表示についてお伝えします。
4-1. 付記表記
【記号だけでは表せない表示方法】
国際規格の記号を使うことになり、記号内の日本語の表記がなくなりました。
代わりに、これらの情報は表示記号の近くに付記用語で記載がされている衣類もあります。
4-2.洗濯表示の見方(例)
【参考までに】
こちらの洗濯表示を読み取ってみます。
①液温は40℃を限度とし、洗濯機で非常に弱い水流で洗濯ができる
②漂白剤は使用不可
③タンブル乾燥禁止
④日陰のつり干しがよい
⑤底面温度150℃を限度としてアイロン仕上げができる
⑥商業クリーニング禁止
<付記用語>
洗濯ネットを使用
アイロンを使用する時はあて布を使用
5. まとめ
洗濯表示は以前のものと比べて細かなものになっている一方、従来の表示方法とは違うものになってしまった印象です。
まるで暗号解読するかのような洗濯表示ですが、コツをつかめば洗濯の方法が見えてきます。
家庭洗濯が難しいと判断する場合は、プロにお任せしたほうが、お気に入りの洋服を長持ちさせられます。
洗濯表示を守り、正しい洗濯方法でいつまでも大切に着られますように。