スーツの寿命はどれくらい?買い替えるタイミングはいつごろ?
2022.12.21
この記事の所要時間:約6分
「もう長いこと同じスーツを着ているけど、寿命はどれくらいだろう?」
「スーツが消耗してきた気がするけど買い替えのタイミングがわからない……」
このようなお悩みを持っている方は少なくないのではないでしょうか。
この記事では、スーツの寿命や買い替えのタイミングについて解説します。
いつでもきれいなスーツを着こなすために、ぜひチェックしてみてください。
1. スーツの寿命ってどれくらい?
スーツの寿命は、夏用が3~4年、冬用が4~5年程度といわれています。
ただし、使用頻度やお手入れの有無、素材などによって多少の変化はあるでしょう。
例えば、スーツを着る機会は月に数回という方の場合、5年以上経ったスーツでも消耗が少ないと考えられます。
ただし、消耗が少ないからといってスーツの買い替えが不要なわけではありません。
反対に、営業の仕事などで毎日スーツを着る方は消耗も早くなります。
日常的に車の運転をしていればお尻や背中の辺りが集中して消耗するでしょう。毎日よく歩く方であれば内股の間が消耗することが考えられます。
働き方などにより消耗する箇所や程度が変わるので、買い替えのサインを見逃さないことが大切です。
2. 買い替えのタイミングはいつごろ?
スーツを買い替えるべきタイミングは「スーツに買い替えのサインが見られるとき」です。
長く使用していると、スーツは自然と買い替えのサインを発しています。
このサインは普段使用していることで気付かないこともあるため、意識してケアをすることが大切です。
次章以降ではそんな買い替えのサインについて詳しくご説明します。
3. 買い替えのサイン
先述の通り、スーツは長年着続けるとさまざまな買い替えのサインを発します。
ここではスーツ買い替えの目安となるサインを解説します。
3-1. 生地のテカリ
ヒップの周りや、内股の辺りにテカリが出ているのを見たことがないでしょうか。
生地に摩擦が生じたり負荷がかかったりすることによって生地の繊維が潰れてしまい、テカリとなってしまいます。
座り仕事の場合はヒップ周りやヒップ部分、歩くことが多い場合は内股の辺り、車の運転が多い場合はヒップ周りやヒップ部分はもちろん背中など、いろいろな箇所に発生します。
定期的なブラッシングである程度のテカリは防げますが、ブラッシングをしてもテカリが取れなくなった場合は生地が消耗しているので買い替えのサインです。
3-2. ヒザやヒジの型崩れ
ヒザやヒジは着用時に圧力がかかりやすく、型崩れが起こりやすい箇所です。
ヒザやヒジの生地で不自然にポコッとふくらみが出てきたら買い替えのサインです。
また、一度型崩れが起きてしまうと修復するのがむずかしいため、買い替えをおすすめします。
3-3. ボタンや糸のほつれ
縫い目の部分も消耗しやすい箇所です。
パンツの内股の部分やサイドポケット付近、裾上をした部分などにほつれが出ることがよくあります。
少しのほつれであれば修理することが可能ですが、多くの箇所で発生した際は買い替えを考えるサインかもしれません。
また、ポリエステルや起毛している生地の場合、「ピリング」と呼ばれる毛玉が発生することもあります。
歩くときに擦れる内股、シートベルトによって擦れる脇腹の辺りによく見られます。
毛玉取りである程度の処理は可能ですが、処理が続くと生地が薄くなり、買い替えが必要となります。
ピリングが発生しにくい生地もありますので、買い替えの際は生地選びにも着目してみましょう。
3-4. 体型に合わなくなった
トレーニングや加齢による体型の変化でスーツが合わなくなるケースがあります。
サイズが合わなくなってしまった場合は、軽度のものであればお直ししてみるのもいいでしょう。
しかし、大きな修正が必要となり、スーツのシルエットが崩れてしまう場合には買い替えを検討するサインかもしれません。
4. スーツの寿命を早めてしまう原因
お気に入りの1着を長持ちさせるためにも、スーツの寿命を早めてしまう原因を知っておくことが大切です。
4-1. 同じスーツを高い頻度で着用する
毎朝つい着慣れたスーツを選んでしまうことはよくあると思いますが、スーツは毎日着たり使用頻度が高かったりすることで生地の消耗が早まってしまいます。
結果、ほつれや破れ、テカリなどが発生して買い替えが必要となります。
スーツの理想の着まわしは、3着程度のローテーションです。
1度着用したら2日休ませることをおすすめします。着用後は風通しのよい場所で保管しましょう。
しっかりと生地を休ませることで、生地に染み込んだ水分が蒸発しシワが伸びます。
こうすることで生地を長持ちさせることができます。
ぜひスーツを複数着まわすことを検討してみてください。
4-2. クリーニング頻度が高い
使用環境にもよりますが、スーツの最適なクリーニング頻度はシーズンに1~2回です。
これよりも高い頻度でクリーニングをすると、型崩れや生地の風合いが落ちてしまうことがあります。
日頃のお手入れをしっかりすることでカバーしましょう。
4-3. 適切な温度以上でアイロンをしてしまう
アイロンをかける際、高すぎる温度では生地を傷めてしまいます。
麻や綿は180~200℃、ウールは140~160℃、ナイロンやポリエステルなどの化学繊維は110~130℃が目安です。
アイロンは、適温より低いとパリッと仕上がらず、逆に高いと生地を傷めてしまうため、必ず正しい温度に設定しましょう。
正しい温度は洗濯表示マークに書いてあることが多いのでぜひ確認してみてください。
また、当て布をすることやスチーマーなどで適度に水分を含ませることも大切です。
5. スーツの正しい保管方法
スーツは正しい保管をすることでさらに長持ちさせることができます。家に帰ってからクローゼットにしまうまで、どのような手順を踏めばよいのでしょうか。
①ハンガーにかける
家に帰ったらスーツのポケットに入っているものをすべて出してハンガーにかけます。そのうえで、すぐにクローゼットにしまわず陰干しをしましょう。湿気が飛んで臭いやカビの発生を防ぐことができます。
②ブラッシングでホコリや汚れを落とす
1日着用するだけでも、スーツには目に見えない汚れやホコリがたくさん付着します。そのままにしておくと生地が傷んだり虫食いの原因になったりしますので、ブラッシングをしましょう。汚れやホコリを払えるだけでなく生地を整えることもでき、テカリの予防にもなります。
③シワ取り
スーツにシワはつきものですが、早めに処置をすることでなくすこともできます。着用したその日のうちにお手入れしましょう。
シワ取りは、基本的に霧吹きをかけるだけでよいです。湿気を与えて一晩自然乾燥させれば、繊維の復元力できれいにシワが伸びます。
6. まとめ
今回は買い替えのサインと、長く愛用していただくためのヒントを紹介しました。
スーツはしっかりとお手入れにすることよって長く着用できます。
ぜひ大切な1着をより長く着続けられるようにしましょう。