スーツ(スラックス)のベストな長さは?裾の種類や裾上げ時の注意点について
2022.12.09
この記事の所要時間:約7分
スーツのパンツの裾(すそ)の長さは、全体の印象を大きく左右する重要な部分です。
ほんの少しの長さの違いでスタイリッシュにもゆったりとした印象にも見えます。
しかし、スーツ選びの際にそこまで意識している方は意外と少ないのではないでしょうか。
今回は、スーツの裾の長さの決め方や裾の種類について解説します。ぜひ最後までご覧ください。
1. スーツ(スラックス)の裾の種類
スーツの裾には大きく分けて「シングル」と「ダブル」の2種類があります。
まずはそれぞれの特徴を解説します。
1-1. シングル
シングルは、裾に折り返しがない仕上げです。
シンプルな仕上げであり、足元がすっきりしている印象を与えることができます。
もう一つの仕上げであり、後述するダブルは、雨や泥で汚れないようにスーツの着用者が裾を折り曲げていたことが誕生の理由とされています。
雨や泥で汚れるということは屋外であるため、ダブルはカジュアルシーンで利用されることが多いことが考えられ、シングルはダブルと比較してフォーマル度が高い仕上げとなっています。
そのため、ビジネススーツだけでなく燕尾服やタキシードの裾にも取り入れられています。
1-2. ダブル
ダブルは裾を数センチ折り返した仕上げです。折り返す幅は標準で4cmほどです。
シングルと比べると装飾性があり、ややカジュアルな印象を与えます。
折り返した部分はホックで留める方法と糸で縫い付ける方法があります。
近年のビジネスシーンでの服装の多様化から、スーツのスラックスをダブル仕上げにする方もいらっしゃいます。
冠婚葬祭などのフォーマルシーンでは基本的に略礼装であるためダブルでも問題はないという考え方もできますが、「シングルがよい」「シングルでもダブルでもよい」などといったルールはその時々によるかと思いますので、その都度確認するのが望ましいです。
結婚式の2次会などカジュアルなパーティーならダブルでも問題ないでしょう。
2. スーツ(スラックス)の裾の長さは3種類に分かれる
スーツの裾の長さは全体の印象を大きく変えるとても重要な部分です。
次は裾の長さによくある3種類について解説します。
2-1. ワンクッション
裾がシューズの甲に乗り、生地に膨らみ(クッション)ができる長さです。
ビジネスシーンにもフォーマルシーンにもフィットし、重厚なイメージを持たせることができます。
2-2. ハーフクッション
ワンクッションより裾が少し短く、シューズの甲に触れる程度の長さです。
こちらもビジネスシーンにもフォーマルシーンにも対応できます。
2-3. ノークッション
裾がシューズの甲よりも上にくるため、裾に膨らみができない仕上がりです。
靴下が見える長さのためカジュアルな印象を与えます。
また、たるみがないので誠実で爽やかなイメージがあります。
3. スーツ(スラックス)の裾の長さの測り方
スーツの裾の長さを測るときはスラックスのウエストを腰骨の位置に合わせましょう。
またベルトも着用することで、普段通りの着用イメージが湧き、適切な長さを測れます。
ここを間違えるとイメージと違う仕上がりになってしまいます。
シューズは履かない状態でも問題ありませんが、履いていたほうが実際に履いたときのイメージをしやすいでしょう。
準備が完了したら、スタッフに「ノークッションで」「ワンクッションで」と伝えれば希望の長さに合わせてくれます。
長さを測っているときは、誤差が出ないように背筋や脚を伸ばし正しい姿勢でいることが大切です。
4. スーツ(スラックス)の裾の長さを決めるときのポイント
スーツの裾の種類や測り方はわかっても、着用シーンやスーツの個性に合わせてどう選ぶべきか、判断はむずかしいところです。
そこで、ここでは裾の種類の決め方を解説します。
4-1. パンツの太さで選ぶ
パンツの太さによって選んでみましょう。
太いパンツの場合(スタンダード)
太いパンツは「ワンクッション」か「ハーフクッション」がおすすめです。
裾を長めに仕上げることで足元にボリュームが生まれるため、ストレートタイプではスタイルアップが望めます。
反対にノークッションの場合は寸足らずに見えてしまうことでルーズな印象を与えてしまう恐れがあります。
礼服などフォーマルな装いには太いパンツが多いため、きちんとした身だしなみを印象付けるためにも適切な長さを選択しましょう。
細いパンツの場合(スタイリッシュ)
近年のビジネススーツはテーパード(裾に行くほど細くなる)した細いパンツが主流となっています。
そんな細いパンツには「ノークッション」か「ハーフクッション」がおすすめです。
細いパンツでワンクッションにするとすっきりとした細いシルエットを崩してしまいます。
足元をスッキリと見せるためにも裾のたるみは少なくしましょう。
ただし、裾を短くするといっても街着で流行っているようなアンクル丈(くるぶし丈)は短すぎるので注意が必要です。
短すぎるとソックスが完全に見えてしまい、カジュアルすぎる印象になってしまいます。
4-2. 着用シーンで選ぶ
冠婚葬祭などのフォーマルシーン、商談やプレゼンなどのビジネスシーンなど、着用するシーンで選ぶこともできます。
フォーマルシーン
フォーマルシーンで着用する場合には「ワンクッション」がおすすめです。
裾が短いとカジュアルな印象になるためフォーマルシーンにはふさわしくありません。
重厚なイメージを持たせるためにも、裾に少したるみがあるワンクッションを選択しましょう。
ビジネスシーン
ビジネスで着用するのであれば「ハーフクッション」か「ノークッション」がおすすめです。
先ほども解説したとおり、最近のパンツは細身でテーパードのものが主流です。
テーパードの場合はパンツのシルエットにもたるみがないほうが似合いますし、スタイリッシュで誠実な印象となります。
逆にビジネスシーンで裾のたるみが大きいとだらしなさを感じさせてしまうので気をつけましょう。
5. スーツ(スラックス)の裾に迷ったら店舗で相談するのがおすすめ
普段スーツの裾の長さを細かく気にする方はそれほど多くないかもしれません。
しかし、足首や手首、首など、人間の身体には視線の集まりやすいポイントがあり、少しの違いが大きな印象の違いとなります。
街を歩いていて「あの人はスーツの着こなしがかっこいいな」と感じる場合、それはその方が袖や裾など細かな部分にまで気を配っているからかもしれません。
裾の長さについてご自身で判断するのがむずかしい場合は、店舗で相談してみましょう。
最近の流行やパンツのシルエットからベストな裾の長さを提案いたします。
6. まとめ
ここまで、スーツの裾の長さの種類について解説しました。
あらためて、着用シーンやスラックスのタイプごとにベストな裾の長さをまとめると以下のとおりです。
- 太いパンツはクッションあり
- 細いパンツはクッションなし
(もしくはハーフクッション) - フォーマルシーンではクッションあり
- ビジネスシーンではクッションなし
(もしくはハーフクッション)
裾の長さはスーツの印象を左右する大切な部分です。
心配な方はぜひ店舗でプロに聞いてみましょう。
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